福岡から日本の近代と古代を考えます。
福岡歴史研究会(NPO法人)
<古代史 講師紹介と講義方針>
河村講師

河村哲夫講師
河村哲夫(かわむら・てつお) 1947年福岡県柳川市に生まれる。九州大学法学部卒。立花壱岐研究会・日本ペンクラブ会員・福岡県文化団体連合会参与。
主要著書:『志は、天下』1995年、海鳥社。『立花宗茂』1999年、西日本新聞社。『柳川城炎上』1999年、角川書店。『西日本古代紀行〜神功皇后風土記〜』2001年、西日本新聞社。『筑後争乱記』2003年、海鳥社。『九州を制覇した大王〜景行天皇巡幸記〜』2006年、海鳥社。『天を翔けた男』2007年、梓書院。『龍王の海・国姓爺・鄭成功』2010年、海鳥社。『天草の豪商・石本平兵衛』2012年、藤原書店。『神功皇后の謎を解く〜伝承地探訪録』2013年、原書房。
<講義方針>平成24年度の「北部九州における神功皇后伝承」、平成25年度の「九州における景行天皇伝承」に続き、平成26年度はさらに時代をさかのぼって、神武天皇伝承に挑む。「古事記」「日本書紀」はもとより、地域伝承や社伝、考古学的な成果などを総合的に考察しながら古代史の謎に迫る。
西谷講師

西谷正講師
西谷正(にしたに・ただし) 1938年大阪府高槻市に生まれる。京都大学大学院修士課程修了。奈良国立文化財研究所・福岡県教育委員会を経て、九州大学助教授・教授。平城宮跡・九州縦貫道予定地内遺跡などの発掘調査に従事。また、ソウル大学留学のほか、韓国・北朝鮮・中国・ロシア・モンゴル・ベトナム・タイなどの遺跡を調査。邪馬台国近畿説派。現在、海の道むなかた館長・九州歴史資料館名誉館長・伊都国歴史博物館名誉館長。九州大学名誉教授。2003年第62回西日本文化賞受賞。
主要著書:『韓半島考古学論叢』2002年、すずさわ書店。『東アジア考古学辞典』2007年、東京堂出版。『東アジアの巨大古墳』(共著)2008年、大和書房。『魏志倭人伝の考古学 ─邪馬台国への道』2009年、学生社。『古代北東アジアの中の日本』2010年、梓書院。『古代の日本と朝鮮半島の交流史』2014年、同成社。
丸山 講師


丸山雍成講師
丸 山 雍 成(まるやま・やすなり)1933年 熊本県玉名市に生まれる。東北大学文学部国史学科卒業、同大学院修士博士課程終了。1977年、文学博士(東北大)。駒沢大学講師・助教授を経て、九州大学助教授・教授、九州文化史研究施設長、同大学名誉教授。インドネシア大学客員教授、西南学院大学教授(各大学院兼坦)。現在、交通史学会長。1944年、日本学士院賞。2004年、交通図書賞特別賞。2008年、瑞宝中綬章など受賞。
主要図書:『近世宿駅の基礎的研究』第1、第2、1975年、『日本近世交通史の研究』1989年、『封建制下の社会と交通』2001年、『参勤交代』2007年、『邪馬台国 魏志が歩いた道』2009年(以上、吉川弘文館)、『九州・その歴史と現代』1994年(文献出版)。他に編著書13冊。
<近代史 講師紹介と講義方針>
石瀧 講師

石瀧豊美講師
石瀧豊美(いしたき・とよみ)1949年福岡市に生まれる。イシタキ人権学研究所所長、福岡地方史研究会会長、福岡県地方史研究連絡協議会副会長。第37回(平成24年度)福岡市文化賞受賞。近著に『近代福岡の歴史と人物―異・偉人伝―』(2009年、イシタキ人権学研究所)、『玄洋社・封印された実像』(2010年、海鳥社)、『筑前竹槍一揆研究ノート』(2012年、花乱社)。直近の自治体史(共編・共著)に『新修 福岡市史』の内、「資料編 近現代1 維新見聞記」(2012年)、「特別編 福岡城 築城から現代まで」(2013年)。編著『博多謎解き散歩』(新人物文庫、2014年1月)
<講義方針>NHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」で福岡はにわかに騒がしくなりました。官兵衛は福岡では黒田如水として知られています。官兵衛と如水が同一人物だと気付く人がどれだけいるだろうか、という心配がありましたが、書店には官兵衛関係の本が積み上がっていて、どうやらその心配も杞憂でしょう。というわけで、今年度8回は「軍師官兵衛」で押し通すことにしました。
 滋賀県長浜市(木之本町黒田)、岡山県瀬戸内市(長船町福岡)、兵庫県姫路市、大分県中津市、そして福岡市が黒田家ゆかりの地で、連携して黒田サミットが催されてきました。2014年は大河ドラマがらみで、それぞれに工夫をこらした催しが行われることでしょう。
 大河ドラマのストーリーがこの講座より先行します。それで一口辛い大河ドラマ評も折り込みたいと思います。大河ドラマはしばしば一過性のブームに終わります。しかし、もともと官兵衛はそれほど知名度があったわけではありません。むしろこれを機会に官兵衛に関心を深める人が多いはずです。これまで無視されていた分、今後の戦国時代関係のドラマには欠かせぬ登場人物になるのではないかと思われます。
 黒田官兵衛は秀吉を天下人に押し上げた「軍師」として知られています。しかも官兵衛が策をめぐらすのは、戦わずに敵を下すためです。官兵衛の知恵一つで敵味方数千、数万が命を長らえるのですから痛快な話です。まったく戦国時代の人とはとても思えません。官兵衛は部下を手討ちにすることもなく、殉死も禁じました。
 九州征伐(1586-87)の後に博多の再興に尽くし、中津藩主におさまります。関ヶ原の合戦(1600)で手柄を立てた黒田長政が福岡の城下町を開きました。すでに隠居していた官兵衛(如水)でしたが、九州で豊臣方(西軍)の城を次々に落とします。
 秀吉、家康に、天下取りのライバルとして警戒されたという官兵衛。もちろん真相は官兵衛に聞くしかありません。用心深い官兵衛のこと、どちらに転んでもただでは起きない策を弄していたに違いありません。
 官兵衛孝高(よしたか)・長政父子を祀る神社が西公園の光雲(てるも)神社です。廃藩置県までは福岡城本丸にありました。その「御宮御用」を務
めていたのが私の曾祖父木村太四郎一倍(かずます)でした。太四郎は旧藩主の身の回りの世話をするために、東京に移住する第11代藩主黒田長溥とともに蒸気船で上京しています。
有馬講師
有馬学講師 有 馬   学(ありま・まなぶ)
1945年北京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。日本近代史専攻。1976年、九州大学文学部講師。同助教授、教授を経
て1994年大学院比較社会文化研究院教授。2009年定年退職。九州大学名誉教授。2012年4月より福岡市博物館長。この間、文化庁文化審議会
第三専門調査会史跡分科会委員、日韓歴史共同研究委員、日本の産業革命遺産世界遺産登録推進協議会専門家委員会委員、福岡市史編集委員長等
をつとめる。
主要著書:『近代日本の企業家と政治―安川敬一郎とその時代―』(編著)2009年、吉川弘文館、『日本の歴史22 帝国の昭和』2010年、講談社
学術文庫、『写真経験の社会史』(共著)2012年、岩田書院、『日本の近代4「国際化」の中の帝国日本』2013年、中公文庫
 玄洋社だけではない福岡の近代史。その豊かで多様な歴史像を、史料に基づく最新の成果をふまえて、分かりやすくお話しします。